国重要文化財の校舎を活用した、金沢のくらしが超わかる博物館!!

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イシカワスポット

こんにちは!関東から石川県に移住してきたカズマです。

先日、「金沢検定」というご当地検定を受けてきました。6年分の過去問を解いて挑んだのですが、今年は難問ばかりでかなり苦戦…。経験談は後日、改めて書こうと思います。

金沢市のことをもっと知らなければ!

金沢検定の勉強をしながら感じていたのは「金沢のことを知らなすぎた!」ということでした。高校卒業までは石川県で過ごしたぼくですが、金沢検定の過去問を解いていても初めて知ることばかりだったのです。金沢の真の魅力を深く知る必要があると思ったぼくは、市内の伝統文化を中心に紹介する「金沢くらしの博物館」に行ってきました。

かつて中学校だったという建物外観

レトロすぎる明治時代の旧制中学校舎

金沢くらしの博物館は、兼六園小立野口から東南に延びる「小立野通り」を歩いて徒歩5分くらいの場所にあります。

ひと目見て、そのレトロさにビックリしました。基礎はレンガで、壁は木造ですが薄いパープルで塗られており、意匠も洋風です。屋根は切妻の瓦葺きで和風かなと思いきや、ひょこんと淡い水色の尖った屋根が見えます。

尖った屋根を尖塔(せんとう)に見立てて「三尖塔校舎」と呼ばれていたそうです

「これぞ和洋折衷の極み」といったこの建物、実は旧制中学校だそうです。正式名称は「石川県第二中学校」。1899(明治32)年の建築です。建築のことはよくわからないので、詳しいことはウェブサイトをご覧いただくと良いかと思います。

では、中に入ってみましょう。

廊下はまさに「ドラマに出てくる昔の学校」

おお。明治~大正を扱うドラマで出てきそうな学校だ。と、そんな感想が頭の中に浮かびます。入口で入館料を払い(一般310円)、展示室へと進んでいきます。

戦前のくらし

常設展は大きく「戦前のくらし」「戦後のくらし」に分けられています。戦前のくらしの部屋からのぞいてみましょう。

まず見えるのは、金沢の町屋の座敷を再現した空間です。紅殻の深みのある赤が印象的で、江戸時代の京都の室内装飾に影響されているそうです。加賀友禅の基調色「加賀五彩」の一つ「臙脂」(えんじ)に近く、金沢らしい色といえます。

鮮やかな室内装飾

部屋の奥に置かれているのは金沢の伝統工芸「加賀水引」の作品です。水引といえばご祝儀袋のちょっとした帯紐をイメージするかと思いますが、ここ金沢の水引はほとんど芸術作品のように立派。ちなみにこの匠の技は、金沢のにし茶屋街近く(野町)にある「津田水引折型」さんで受け継がれているので、訪問してみてもよいかもしれません。

色鮮やかな水引を見て楽しむことができます

こちらは金沢の郷土玩具のコーナーです。左上から時計回りに、獅子頭、加賀八幡起上り、加賀手鞠、加賀魔除け虎、花はじき、もちつき兎、米食いねずみです。

郷土玩具のクオリティも高いのはさすが伝統工芸都市です

「加賀八幡起上がり」は石川県観光PRマスコットキャラクターの「ひゃくまんさん」のモチーフになっている人形で、タンスにしまっておくと着物が増えるという素敵な言い伝えがあります。八幡さん(応神天皇)が生まれたときに深紅の綿で包まれたそうで、それをイメージしてつくられたとのこと。

また「加賀手鞠」は、加賀藩前田家3代・利常に嫁ぐため徳川家から3歳で輿入れした珠姫様が持ってきた「てまり」が民衆に広まって定着した郷土玩具と言われています。金沢の伝統的なおもちゃには、ストーリー性があって良いですね。

廊下にかけられている金沢に伝わる花嫁道具の「花嫁のれん」。嫁入りのタイミングで婚家の仏間の入口にかけられる美しいのれんです

戦後のくらし

「戦後のくらし」コーナーです。戦後~高度成長期あたりの家具家電を並べたキッチンや茶の間、子ども部屋が再現されています。

昔のおばあちゃんの家を思い出します

こちらのコーナーは「戦前のくらし」と比べて、「金沢ならでは」といえる展示は多くありません。テレビ登場以降、文化が全国的に画一化されたということでもあるのでしょう(ちなみに、高度成長期前後の金沢市街を写した写真パネルはかなり見応えがありました)。

いかにも「高度成長期!」という感じの家電、家具です
メンコ展示。うる星やつらがリメイクされて放送されているタイミングでの訪問だったので感慨深かった
このあたりの展示はカズマの子どものころの世代と重なってきます
金沢の古い風景の写真は見応えばつぐん

階段を登って2階へ上りましょう。通路の意匠も目を引きます。

多くの子どもたちが触ったと思しき手すり
昔のガラスが残されています

まずは伝統工芸のコーナーです。人間国宝の木工芸家・氷見晃堂氏、県指定無形文化財保持者で加賀象嵌職人の米沢弘安氏を紹介するコーナーがあります。作品よりも、使っていた道具にスポットを当てた展示形式で見応えがあります。

伝統工芸のコーナー

金沢くらしの大百科

その隣はポップな雰囲気の部屋。金沢くらしの大百科コーナーです。

金沢くらしの大百科コーナー

郷土料理紹介コーナーでは、押し寿司、甘エビの具足煮、治部煮、いとこ煮、メギスの団子汁、太きゅうりのあんかけ、どじょうの蒲焼き、たけのこと昆布の煮物、べろべろ(えびす)、車麩の卵とじ、大根寿し、かぶら寿し、めった汁、赤ずいきの酢漬け、なすそうめん、いかの鉄砲焼がそれぞれ紹介されています。

このうち、「車麩の卵とじ」と「たけのこと昆布の煮物」は金沢出身の母親によく作ってもらっていたのですが、「あれは郷土料理だったのか」と再発見する機会となりました。

また、この部屋には、お祭りの衣装を着て、同館のオリジナルキャラクター「サンセイトウクン」と記念撮影できるできるコーナーや、加賀萬歳という金沢の伝統芸能で使う太鼓が叩けるコーナー、金沢弁で地元の民話が聞ける視聴覚コーナーもあります。

サンセイトウクン。愛称「さんちゃん」です
加賀萬歳に挑戦しよう

さらに隣の部屋は、昔のおもちゃで遊べる体験ルームです。子どもと来たら、かなり楽しめると思います。

子どもも楽しめるコーナー

企画展も楽しい

ちなみにこの日、同館では「明治大正のファッションと竹久夢二」展が開催されていました。大正期を代表する美人画家・竹久夢二は金沢にゆかりの深い人で、最初の妻・岸たまきは金沢出身だそうです。また、生涯で最も愛した女性・笠井彦乃とは市内にある湯涌温泉で23日間、二人きりの時間を過ごしたそうです。これぞ大正ロマン(?)。

そんな夢二に関する企画展では、美しい着物や髪型の展示がありました。華やかながらケバケバしさはなく、大正期らしいデザインセンスが光っていて見応えたっぷり。残念ながら写真が撮れませんでしたので、このチラシで雰囲気を感じ取ってみてください。

ここまで、ざーっと紹介してきましたが、いかがだったでしょう。

金沢の文化が気軽かつ奥深く学べる場所として、県外の方の旅行先におすすめです。また、各種体験コーナーがあるので地元の人でも楽しめます。親子など年の離れた家族と一緒に訪問するとかなり盛り上がるんじゃないかと思いました。そして、レトロ建築好きな方も満足できそうです。

事前に金沢検定の勉強(座学)をしてきたぼくにとっては、「これは金沢検定の参考書に出てきたやつだ!!」(進研ゼミ風)という機会が多く、記憶定着にかなり役立ちました。試験を受ける人は一度足を運んでおくとよいかと思います!!

■金沢くらしの博物館
住所:〒920-0938 石川県金沢市飛梅町3-31(紫錦台中学校敷地内)
開館時間:9:30~17:00(入館16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替え期間、12/29~1/3
観覧料金:一般310円、団体(20名以上)260円
65歳以上・障害者手帳(※)をお持ちの方および介護人210円(祝日無料)、高校生以下無料
問い合わせ:TEL / FAX:076-222-5740
ウェブサイト:https://www.kanazawa-museum.jp/minzoku/index.html

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